本堂が峰

大山廃寺と大山古墳群の地図

「小牧市遺跡分布地図」(小牧市教育委員会 1991年3月発行)の上にこのホームページ管理人がペイントで書き込んだものである。

 地元の人々は、児神社、大山不動、塔跡のある山のことを「本堂が峰」と呼んでいる。つまり、上にある地図のほとんど全てが「本堂が峰」である。言い換えれば、地元の人々にとって、児神社、大山不動、塔跡のある山は、山ではなく、本堂である。この考え方こそ、まさに、山岳信仰そのものである。この考え方から見ると、「国史跡大山廃寺跡史跡境界」の何と狭いことだろう。言い伝えでは、大山廃寺は、平安時代には、「大山三千坊」とも「大山五千坊」とも呼ばれるほどの巨寺であった。そして、「大山三千坊」とも「大山五千坊」とも呼ばれた大山廃寺の本堂は、この山の中のどこかにあった。そして、この山の中には、寺の跡と考えられる平地の他に無数の古墳が存在している。つまり、大山廃寺を建てた人々は、古墳を残しつつ、寺も建てた。そして、2018年現在の私たちには、どの遺跡が寺の跡でどの遺跡が古墳なのか、見分けがつかない。

大山古墓の写真

江岩寺の隣の山の上にある墓の向こうに見える山並みが本堂が峰である。2017年11月このホームページ管理人撮影。

 大山廃寺は、少なくとも7世紀後半の白鳳文化の時代にはこの山の中に存在していて、織田信長による天下統一が始まる16世紀頃まで、隆盛を誇っていた。江戸時代に書かれた「大山寺縁起」は、「本堂は21.72u、54.3mの回廊、本堂の左右には堂の数が18あり、前に五重塔があった。」と伝える。900年もの長い間、大山の地に存在していた大山廃寺の本堂が峰は、余りにも広く、このホームページ管理人一人では、とても回り切れない。しかし、本堂が峰の中で、このホームページ管理人が気に入ったスポットがいくつかあるので、ここでは、そのスポットを紹介していく。

本堂が峰お気に入りスポット略図

このホームページ管理人作成お気に入りスポット略図

<ポイント1>

本堂が峰ポイント1藤の木の写真

本堂が峰ポイント1で撮影した藤の木。2018年4月22日このホームページ管理人撮影。

 塔跡からまっすぐ山を登り、頂上に着いたら、塔跡とは反対側に滑り降りる。下に着いたら、右側に向かって道が見えるので、しばらく歩くとダム2が見える。ダム2の横を下りて道なりに進むと大山不動に着く。所要時間は約50分。そして、ここにまだ寺があった頃は、藤棚があったらしく、寺がなくなってから、放置された藤の木が頭上はるか上の方で花を咲かせていた。藤の木は、放置されると、上へ成長していくらしい。足元に青い花びらが落ちていて、わかった。

<ポイント2>

本堂が峰ポイント2児川源流付近の写真

本堂が峰ポイント2で撮影した児川源流付近。2018年4月22日このホームページ管理人撮影。

 ポイント1で塔跡上頂上から塔跡とは反対方向に下り、右側に向かって5〜10分歩くと、左側に沢が見える。濡れない靴(このホームページ管理人の場合は、ミドリ安全靴だが、靴は泥が付いた。)で沢を渡った所にある平地で撮影したのが上の写真だ。児川源流付近は、大山川の源流でもあるので、寺や神社の何らかの施設があっても不思議ではない。この場所の少し上あたりに、見事な藤の花が咲いていた。

<ポイント3>

ポイント3にさしかかるあたりにある石碑の写真

 大山不動裏から道なりに進んで10分ほどでダム2の前に出る。ダム2の前を横切るように沢を渡り、道なりに5分ほど登っていくと、気を付けてみると、木の陰に高さ42cm、幅42cmの石碑があるのが見える。この石碑の模様をパソコンで様々に色を変えて分析したところ、菊の模様に重なって、天台宗のマークが描かれているとこのホームページ管理人は見た。この石碑の前で左に折れ曲がり、3分も行けば、右手にとても広い平地が確認できる。

ポイント3平地の写真

ポイント3平地。2018年1月10日このホームページ管理人撮影。

 この平地こそ、本堂跡なのではないかとこのホームページ管理人は考えてしまうのだが。柱だか何だかわからないが、この苔むした木は美しさすら感じる。

ポイント3平地にあった木の写真

ポイント3平地にあった木。2018年2月24日このホームページ管理人撮影。

<ショウジョウバカマ群落>

開花したショウジョウバカマの写真

ショウジョウバカマ群落の中に咲くショウジョウバカマ。2018年3月15日このホームページ管理人撮影。

 ポイント3平地を出て右に進み、平地の角を右に進むと土管が見える。土管の左わきにロープが張られているので、ロープにつかまって登ると上の道(大山保安林管理道)に出る。ポイント3平地前の石碑から上の道までは5分ほどである。上の道(大山保安林管理道)をまっすぐに渡って、山の中に入り、階段のようになった道を5分ほど登ると木々が茂った頂上に着く。その頂上付近がショウジョウバカマの群落になっていて、3月から4月の間、ショウジョウバカマの小さなピンクの花が至る所に咲いているのが見られる。

<天川山>

天川山頂上の写真

天川山頂上にいくつかある看板のうちの1つ。2018年3月17日撮影。

 階段のような山道を登り、ショウジョウバカマの群落のある山のピークに着くと、左側に、県有林の柵が左側に連なっているのが見える。県有林の柵に沿って、左方向に10分ほど進んで行くと、途中で柵が切れているところがある。切れた柵を中に入って2〜3分で、天川山と書かれた個性のある看板が3つくらい並ぶ頂上に着く。天川山は、標高279.6mあり、小牧市内で一番高い山だとされている。しかし、天川山は本堂が峰の一部であって、多くの小牧市地図には、天川山の表記がない。そして、天川山の看板が並ぶ頂上は、木が生い茂って、何も見えない。しかし、天川山の頂上付近は、広い平地であると考えられる。それで、このホームページ管理人は、天川山頂上の広い平地を右と左に分けて、天川山頂上から右側に2〜3分入った平地をポイント4、頂上から左側に2〜3分入った平地をポイント5とした。

<ポイント4>

 絶景ポイントです。

ポイント4から眺めた景色1の写真

ポイント4から左より方向の景色。手前に見えるのが、丹羽由組入鹿採石場、その向こうに入鹿池が見える。2018年3月23日このホームページ管理人撮影。

ポイント4から眺めた景色2の写真

ポイント4から右より方向の景色。森の中に見えるのは、JR東海小牧研究施設。その向こうの森は、八曽山で、延長線上に御嶽山があるはず。2018年3月23日このホームページ管理人撮影。

<ポイント5>

 ポイント4の反対側にある平地であるポイント5は、木が生い茂って、眺めは見えません。しかし、生い茂った木々の間には、昔、ここに寺があったという雰囲気を醸し出しているものをいくつか見ることができる。

ポイント5にある物1の写真

ポイント5にある物1。2018年3月23日このホームページ管理人撮影。

ポイント5にある物2の写真

ポイント5にある物2。花壇で栽培していたショウジョウバカマか。2018年3月23日このホームページ管理人撮影。

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