不動堂

大山廃寺の地図

「大山廃寺発掘調査報告書」(小牧市教育委員会 昭和54年(1979年)3月発行)の中の「図版U 大山廃寺付近航空測量図」の上にこのホームページ管理人がペイントで書き込んだもの。

 不動堂とは、上の地図にある大山不動のことである。一体、いつごろから不動堂があるのかは、書物によって違う。「大山廃寺遺跡概説」(入谷哲夫 昭和48年(1973年)11月発行)によると、「江岩寺縁起」には、永久年間(1113〜1118年)に比叡山法勝寺から大山にきて、大山寺を再興し、大山三千坊と呼ばれるほどの大きな寺にした玄海上人の守護仏として安置された、とある。しかし、このページでは、不動堂に掲げられた由緒書きを私訳したものを紹介する。この由緒書きは、江岩寺の第18世住職で、平成初めころ(1990年代)に90代で亡くなられた鵜飼陽州住職が書かれたものである。字が読みにくい箇所は、私の想像で、埋めました。

「由緒書き

御祭神 大山不動明王

大山寺を創建した伝教大師(平安時代初期(9世紀)に天台宗を始めた最澄のこと)自慢の不動明王で、大山石尊大聖不動明王という。

鎮座地 小牧市大山字仲島421番地

江岩寺初代の秋岩恵江住職が、元和2年(1616年)1月20日に寺社奉行所からもらった土地である。(大坂夏の陣で豊臣氏が滅んだ翌年)

例祭 11月28日

地域

北は、愛知県犬山市池野・安楽寺・富士・楽田

西は、愛知県小牧市味岡・小松寺・法印橋

南は、愛知県春日井市鳥居松

東は、岐阜県多治見市池田洞

大山不動は、以上の広大な地域を始め、尾張地方の農民に福寿産業・身体安全・安産を守る仏として、広く信仰されている尊い御不動様です。戦時中(第2次世界大戦1939年〜1945年)は、名古屋・東京・大阪・神戸など遠近問わず、身を守るために、写真によって祈願を申し込まれた方々に、延命長寿を得る祈願をしました。」

 私は、不動堂の中にあるというお祭神である不動明王を見たことがない。しかし、「大山石尊大聖不動明王」という名前から、石製の仏様なのではないかと想像する。「大山廃寺遺跡概説」(入谷哲夫 昭和48年(1973年)11月発行)によると、大山不動のご本尊は盗まれたという昔話があるらしい。一体、不動堂ご本尊の不動明王は、あるのかないのか?

 大山不動堂の敷地の中は、キリシタン灯篭あり、御嶽信仰らしき石造物あり、句碑あり、石仏ありで、混沌としていてエキゾチックな雰囲気を私は感じる。そして、不動堂には、四季の美しい風景がある。私は個人的に、不動堂の秋の紅葉風景が好きだ。そして、不動堂は、私が本堂が峰に登るときの起点である。

 また、不動堂をこの場所に造った江岩寺初代秋岩恵江住職は、織田信長から豊臣秀吉を経て、徳川家康に至るまでの時代を生き抜いた人物である。特に、豊臣秀吉から徳川家康に政権が移るときに、秋岩恵江住職は、大坂の陣で敗れた豊臣方の浪人たちを大山に招いて、池を造るなどして、大山の田畑を立派な田畑にしたという功績があるようなので、それなりの役目を果たした人物であるといえる。秋岩恵江住職が建てた不動堂が、大坂夏の陣で豊臣氏が滅亡したことに関与していないという証拠はない。

不動堂の全体風景

不動堂の様子です。2019年12月3日撮影。

不動堂の敷地の中にある石造物

不動堂の敷地の中に入ってすぐの場所にある石造物です。屋根が丸い石造物が句碑です。2019年12月 9日撮影。

前の写真に続く不動堂の石仏

前の写真の続きにある石仏たちです。2019年12月9日撮影。

不動堂の本堂正面の写真

不動堂の本堂です。2019年12月9日撮影。

不動堂にあるサザンカの花と石造物

不動堂の敷地に入ってすぐのところに大きなサザンカの木があり、冬になると、花がいっぱい咲く。それが不動堂にある石造物とマッチして美しい。2019年12月13日撮影。

不動堂のキリシタン灯篭

不動堂の石造物・石仏群の向かいには、キリシタン灯篭がある。キリシタン灯篭の足元には、「寄付人 橋本ぎん」と彫られてある。2019年12月9日撮影。

不動堂の石仏群のアップ写真

不動堂にあるキリシタン灯篭の向かいに石仏群がある。私のイメージでは、不動明王像は、この写真の一番左にある石仏です。2019年12月13日撮影。

不動堂本堂に掲げられている垂れ幕

不動堂本堂に掲げられている垂れ幕には、不思議な形の模様が印刷されています。法輪のようにも見えるが、ちょっと違う気もする。何か隠れてないですか?例えば、十字架とか。あるいは誰かが不動堂に隠れ住んでいたとか。2019年11月28日撮影。

不動堂本堂に掲げられた由緒書き

不動堂本堂に掲げられている由緒書きです。江岩寺の第18世住職で、平成初めころ(1990年代)に90代で亡くなられた鵜飼陽州住職が書かれたものですが、かなり風化していて、写真では、判定できず、実際にこの目で見て、このページの文章を書きました。2019年11月28日撮影。

不動堂敷地内から不動堂前の紅葉を眺める

不動堂の敷地の中から不動堂前を眺める。この写真の先の山の上に児神社がある。2019年11月28日撮影。この日が紅葉のピークで、この日以後は、葉っぱが完全に散ってしまいます。

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