1.大山1号墳

大山廃寺と大山古墳群の地図

「小牧市遺跡分布地図」(小牧市教育委員会 1991年3月発行)の上にこのホームページ管理人がペイントで書き込んだものである。

大山1号墳

大山1号墳。2017年10月27日このホームページ管理人撮影。

 大山1号墳は、林道大山池野線入口から徒歩20分登って着く「ちごりんの里山」看板から、更に左側の山を10分登った所にある。大山1号墳は、標高130mの丘陵頂部にあるが、2018年現在、大山1号墳の周囲には木が生い茂って、景色を望むことはできない。そして、大山1号墳の特徴は、墳丘がなく、石室だけが残されている点にある。大山1号墳は、横穴式石室であると考えられ、残された石室の規模は、長さ3.4m、幅1.4m、側壁の高さ1.2mである。石室の構造や規模などから、大山1号墳は、7世紀前半に築造された後期古墳であると考えられている。

大山1号墳計測図

「小牧の文化財第2集」(小牧市教育委員会 昭和46年(1971年)発行)24ページに大山1号墳を計測した図があるので、ここで紹介する。

<大山1号墳とミツバツツジの群落>

大山1号墳とミツバツツジの群落の入り口

大山1号墳とミツバツツジの群落の入り口は、林道大山池野線途中にある「ちごりんの里山」看板前のこの空き地である。目の前には山があって、大山1号墳もミツバツツジの群落もこの位置からは見ることができない。大山1号墳もミツバツツジの群落も目の前にある山の向こう側にまわりこまなければ見ることができない。2017年10月27日撮影。

大山1号墳とミツバツツジの群落略図

このホームページ管理人作成の大山1号墳とミツバツツジの群落の略図である。

まず、大山1号墳方面へ登ってみましょう。

大山1号墳への登り道

林道大山池野線沿いにある「ちごりんの里山」看板前の空き地から左側の山を登ると、人が通ったと思われる道があるので、その道をたどって、山の頂上を目指します。この山は、大山1号墳の墳丘です。つまり、大山1号墳は、東側(林道大山池野線側)の墳丘は壊れていません。

大山1号墳石室付近にあるミツバツツジのトンネル

大山1号墳石室付近にあるミツバツツジのトンネルは、4月初旬頃になると見ることができます。2018年4月1日このホームページ管理人撮影。

大山1号墳

大山1号墳。2017年10月27日このホームページ管理人撮影。

大山1号墳の石の写真その1

大山1号墳の石の写真その2

大山1号墳の石の写真その3

大山1号墳の石の写真その4

大山1号墳の石の写真です。2017年10月27日撮影。本来は、墳丘に覆われているべき部分が露出している。そして、墳丘が壊れているのは、大山1号墳の石室から西側部分のみで、石室の東側の墳丘は残っている。従って、林道大山池野線からは大山1号墳の石室を見ることはできない。そして、墳丘が壊れた大山1号墳の石室部分からは、ミツバツツジの群落を見ることはできないし、風景も見ることはできない。そこには、大山1号墳の石室のみが存在している。石室の底には、遺物などは見当たらない。

次に、ミツバツツジの群落方面に行ってみましょう。

大山1号墳の堀?

「ちごりんの里山」看板のある空き地から右側に入って、「イノシシ出没危険 入林禁止」のロープをくぐり、5分ほどで、左側にこのような光景が見える。これは、大山1号墳の堀なのではないか?この堀によって、大山1号墳とミツバツツジの群落が分けられている。2018年4月1日撮影。

ミツバツツジの群落へ行く道途中にある小さな滝

大山1号墳の堀から更に奥へ5分ほど進むと、突き当りに小さな滝のように水が山肌から湧いている場所がある。ミツバツツジの群落へ行くためには、小さな滝の前を左に曲がる。2018年3月30日撮影。

ミツバツツジの群落へ行く道途中にある石造物

小さな滝の前を左に5分ほど進むと、石造物がある。これが、古墳なのか、何かの施設なのかは不明だ。このホームページ管理人説は、ミツバツツジの群落前の目印の門。2018年4月1日撮影。

ミツバツツジの群落前

石造物から更に道なりに奥に5分ほど入ると、ミツバツツジの群落前に到着する。ミツバツツジの群落は、地元の方々によって、大切にされてきています。2018年3月30日撮影。

ミツバツツジの群落へ入る階段

地元の方々が造った階段を登って、ミツバツツジの群落の中に入ります。2018年3月30日撮影。

ミツバツツジの群落の中

ミツバツツジの群落の中の風景

ミツバツツジの花

ミツバツツジは、関東から中部に分布する落葉低木で、樹高は2〜3m、3月末から4月の早春に花を咲かせます。接ぎ木や挿し木で増やすのは難しく、種をまくことによって増やします。種は、10月から11月に花後の実から採集できます。しかし、大山のように自生している姿は珍しい。(NHK出版「みんなの趣味の園芸」参照)このホームページ管理人は、野口・大山古墳群の中で、古墳の前にミツバツツジを目にすることが多いが、このような群落ではない。2018年4月1日撮影。

ミツバツツジの群落を過ぎた場所から見える風景

ミツバツツジの群落を過ぎるとこのような風景が見え、自分が丘陵地の上に立っていることに気が付く。ミツバツツジの群落の南方面の景色だと考えられる。ミツバツツジの群落から大山1号墳を確認することはできない。もし、大山1号墳の墳丘が壊れていなければ、大山1号墳の墳丘の上からは、このような風景を見ることができただろう。2018年4月1日撮影。

ミツバツツジの群落を過ぎた場所にある一本杉

ミツバツツジの群落の向こうに見つけた一本杉。周りには、小さな松の木が生えている。まるで、誰かが杉の周囲に小さな松を植えたかのような光景だ。2018年4月1日撮影。

 このホームページ管理人は、大山に自生しているミツバツツジの群落は、古代人が種をまいたような気がしてならない。そして、ミツバツツジは、野口・大山古墳群や大山廃寺の至る所に見られる。亡くなった人に花を手向けるという現代人の行為は、古代人も持っていたようだ。そして、野口・大山古墳群が1つの意志で集まった仲間の者たちの墓であるという象徴がミツバツツジであるという気がしてならない。しかし、野口・大山古墳群の中で、いくつかの古墳は、その墳丘が破壊されている。

参考文献

「小牧の文化財 第二十集 小牧の歴史」小牧市教育委員会 平成17年(2005年)3月発行

「飛行船」VOL.107 2018年10月一般財団法人桃花台センター発行 「篠岡考古学事始め其の十四 篠岡小学校保管の須恵器」中嶋 隆著

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