法灯を継ぐ者 春望編

 昭和3年(1928年)2月、当時の愛知県史跡名勝天然記念物調査会主事小栗鉄次郎が大山の標高208m地点山腹平坦地において、地表下1〜2mの深さから塔の礎石と思われる17個の礎石群を発見した。このことにより、大山廃寺跡は現在に至るまで、国の指定史跡に指定されている。では、小栗鉄次郎の生きた明治・大正・昭和の時代とは、どのような時代だったのだろう。小栗鉄次郎と明治・大正・昭和の時代の動きを探ると、現在の大山廃寺跡がなぜこのような姿になっているのかがわかる。この小説の400字詰め原稿用紙換算枚数は、504枚である。このホームページ管理人は、この小説を書き終えて、少し自分に自信を持ち、この小説を第28回小説すばる新人賞に応募したが、かすりもしなかった作品です。

法灯を継ぐ者 春望編 参考図

一 元特別高等警察官の告白

二 愛知県史跡名勝天然記念物調査主事 小栗鉄次郎

三 大山廃寺の言い伝え

四 鉄次郎 大山廃寺跡に立つ

五 調査

六 報告

七 文部省史跡名勝天然記念物調査会考査員

八 権力闘争

九 国の史跡指定

十 石標設置の仕事

十一 妻 千鶴の困惑

十二 広報活動

十三 声なき声との対話

十四 後に続く者

十五 事務の停止

十六 本土空襲

十七 辞任

十八 終戦

十九 特別高等警察の廃止

二十 闇市のコーヒー豆

二十一 闇市の似顔絵描き

二十二 骨董市と紙芝居

二十三 文化財保護法

二十四 鉄次郎村会議員になる

二十五 高度経済成長の時代

二十六 昭和という時代の終わり

二十七 春望

二十八 参考文献

主な登場人物

*小栗鉄次郎(愛知県史跡名勝天然記念物調査会主事)1881年(明治14年)生まれ。

*小栗千鶴(小栗鉄次郎の妻)1886年(明治19年)生まれ。

*小栗武夫(小栗鉄次郎の息子)1907年(明治40年)生まれ。

*丸尾彰三郎(文部省国宝監査官)1880年(明治13年)生まれ。

*柴田常恵(東京帝国大学教授)1877年(明治10年)生まれ。

*黒板勝美(東京帝国大学教授 国史大系編纂者)1874年(明治7年)生まれ。

*喜田貞吉(東京帝国大学教授)1871年(明治4年)生まれ。

*内藤政光(子爵 鉄次郎の地元豊田市に大きな領地を抱える華族の一員で、学校の教員。後に東京帝室博物館勤務となる。)1880年(明治13年)生まれ。

*伊奈森太郎(小栗鉄次郎の後任者)1899年(明治33年)生まれ。

*山田光太郎(愛知県庁内政部長)1874年(明治7年)生まれ。

*田中軍次(愛知県庁地方課長)1880年(明治13年)生まれ。

*斉藤啓輔(海軍主計大尉)1900年(明治33年)生まれ。

*渡辺周五郎(愛知県警特別高等警察官) 1897年(明治30年)生まれ。

*中村佐吉(愛知県警特別高等警察官) 1897年(明治30年)生まれ。

上へ戻る